自立への提言(Ⅰ) 帰りなん いざ

2006年07月11日

Posted by 吉野のおじさん at 23:39 │Comments( 2 )
宮古島に来て9年の歳月が流れました。
この9年間に宮古島も変わりました。9年前はバブル経済が崩れ始めたばかりのことで、宮古島にもまだ活気がありましたが、今は、公共工事も削減され、補助金もカットされて不況に喘いでいるように思われます。

 吉野海岸問題はその一つの現れと見ています。これは最早対症療法的に解決できる問題ではありません。「北風と太陽」の寓話のように、宮古全体の活性化(仕事作り)によって解決を図らなければならないと考えます。

 私が宮古島に来た目的は、団塊の世代のリタイァに向けて、その受け皿として、生産性のある街づくりを実現するためです。
 団塊の世代のリタイァはいよいよ来年から始まります。
 宮古島へのUターン、Iターンを希望する人達は多く、宮古島への相当の人口流入が予想されますが、これを受け入れるべき基盤整備はほとんど手が付けられていません。このままでは、地価の高騰(ミニバブル)、非生産地の拡大(自然破壊)、高齢化の進行、失業率の増加、地方財政負担率の増大など大きな社会問題が派生することが予想されます。

 いい街とは活性化(仕事がある)している社会のことです。また、いい街の人口構成は、子供がいて、その親がいて、おじぃ、おばぁがいることです。ところが今の宮古島には、子供達の親の世代の仕事がありません。

 私は宮古島の活性化を促進する社会システムとして『地球にやさしい、誰にでも出来る農業システム(エコサス)』を提唱しています。
『エコサス』の「地球にやさしい農業」は、無農薬、有機農法というだけでなく、都市部で発生する膨大なゴミをもリサイクル出来る農業システムです。
 たとえば、「生ゴミ」は有機肥料に、プラスチィクは農業施設資材にリサイクルできます。このようにゴミとして発生している物質のほとんどは土の中から取りだした物です。これをリサイクルして土に返すことが出来る出来るのも農業が持つ大きな力です。

 また、21世紀は農業の世紀と云われていますが、現状の農業は、単に後継者不足と言った生やさしい状況ではなく、このまま推移すれば、日本の農業は立ち行かなくなってしまう恐れがあります。
これを解決するためには、農業の経験のない人でもすぐに出来る農業、資金がなくても出来る農業、なによりも、今、弱者(障害者、高齢者)と言われる人達が生産の担い手となるような農業(誰にでも出来る農業)が必要です。

 具体的に言いますと、今の宮古島ではIターン者が畑は持っていても農業による収入は期待できません。畑で、トマトや、きゅうりは作ることは出来ますが、それを売ることが難しいのです。
 エコサスでは、圃場作りから栽培指導、品質管理、販売まで一貫した指導を行いますから、誰にでも(ただし、やる気のある人)農業による収入が得られるようになります。後は、それぞれの状況に応じた規模にすればいいのです。

 たとえば、親の面倒を見るため、Uターンしたい40歳代の人は自家の畑で年収500~600万円の規模とすれば子供の教育費も賄えます。
 また、退職して宮古島でのんびりと第二の人生を考えている人は、年収50~100万円があれば、それだけ社会貢献(年金負担の軽減など)することになります。なにより、農業(土いじり)をすることによって心身共に健康体(介護の必要のない。)であることが大きな社会貢献になることです。

 子供を持つ人は、専業でもいいし、兼業(公務員、会社員、自営(ペンション経営)など)も可能です。
畑は住宅の近くにあります。いつでも子供と母親が一緒にいることが出来ます。時には子供が手伝ってくれるでしょう。そのことをイメージして下さい。親子の断絶は考えられないことです。これも農業が持つ大きな社会的特性といえます。

 このように、エコサスは、農業を単に食料を生産する職業としてだけではなく、21世紀に予想される諸社会問題を解決、緩和出来る社会システムです。地方と都市との格差を解消する最も有効なものと自負しています。
 
「帰りなん いざ 田園 まさに荒れなんとす。」

 次回は「エコサス」を取り入れた具体的街づくりについて書きます。




この記事へのコメント
こんばんわ、mixiのhamaです。私の苗字は長濱。宮古島の出の名前です。
でも、親父方(再婚で)の苗字なので出身は違います。

リタイヤしてからの宮古島、私も考えておりました。しかし、現実はそう単純なものではなかったですね。このブログによって目から鱗が落ちました。有難うございます。

きちんとした形で移住が実現できるよう、考えます。
Posted by hama at 2006年07月12日 01:02
先週、宮古島へ行き、5~6年前に初めて見た宮古島とだいぶ変わってしまった事、そしてその変化は進行形である事を痛感しました。
『エコサス』というシステムにはたいへん興味を抱きましたが、それを実現するには早期の実行が必要かと思いました。
団塊の世代がやってくる来年以降は、人口が増加し、建物も増加、自然が減り、田畑も減る。自然は守らなくてはいけないが、人口が増える事を考えると、ある程度は免れられない問題かもしれない。
しかし田畑を減らしてしまうと、『エコサス』を実現する環境が減ってしまう。
地価が高騰すると、田畑を売ってしまう農家も増加するでしょう。
この『エコサス』を早期に実行することが、いい街へとなる可能性ではないのでしょうか?

mixiに書き込んだのですが、こちらに書くのが適切ですよね。
Posted by トミー⑭ at 2006年07月12日 15:51
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