名も知らぬ遠き島より

2006年12月03日

Posted by 吉野のおじさん at 00:06 │Comments( 0 )
♪名も知らぬ 遠き島より
   流れ寄る 椰子の実一つ
    ふる里の岸を離れて なれはそも波に幾月♪

吉野海岸には膨大な量の漂着物が流れ着きます。その大半は、流木、浮玉(時々貴重なガラス玉あり)、ガラス瓶などリサイクル可能なものです。

流木は表面を焼いて、サウンドペーパーで磨くと素敵な流木アートになります。

この流木アート製作でのエピソードがあります。

 新婚のカップルが流木で新居に掛ける表札を作ることになりました。二人での初めての共同作業と一つを渡しました。最初は仲良く交互に磨いていましたが、そのうち「俺がやる。」、「いや、私にもやらしてよ。」と奪いあいになり、険悪(?)な状況になりました。
 そこで、奥さんには「ご主人のお母さん(姑)に癒しグッズ(握っていると癒されるという小さな流木アート)を作ったら。」と小さな物を渡しました。2時間くらい掛けて、一所懸命磨いて、良い物が出来ました。私が「良い物が出来ましたね。姑さんにプレゼントすると嫁&姑の関係もうまくいきますよ。」というと、「いや、これは自分が使います。」としっかりと握りしめていました。磨いて行くうちに愛着が湧いて手放せなくなったようです。
 嫁&姑の関係をあやぶみましたが、それを持ったときの素敵な微笑みはきっと姑さんにも伝わるでしょう。

 流木には冒頭の「椰子の実」の唄のようにロマンがあります。長い間海を漂い、海から、空から沢山のエネルギーを貰っています。
 無心に磨くことで心が癒され、流木に新たな命を与えることで人は感動し、その感動が自然を大事にする心になります。その感動を求めてのリピーターが増え、自然が護られると同時に宮古島の活性化につながっていきます。

 また、浮き玉は、インテリア、ガーデニングに使えます。また、集めていると漁師の人が貰って行きます。ガラス瓶も「瓶風鈴」や流木と組み合わせて一輪挿しの飾りにもなります。

 このように漂着物をリサイクルすることによって、ゴミの減量化(地球環境保全に必要なこと)にもなります。
 このサイクル(漂着物によって癒され、その感動が自然を大事にする心となり、漂着物を拾うことで自然が護られるという循環)は漂着物の理想的な処理方法と自負しています。
吉野海岸ではこのサイクルがほぼ確立されています。
漂着物は宮古島活性化の重要な資源となりうると思います。

 NPOニライカナイクラブでは毎日午後、吉野海岸で流木アートの講習会を行っています。
費用は無料ですが、流木を拾いながら漂着ゴミを拾っていただきます。(レジ袋一杯程度)
それをやらないと流木アート作りが出来ないことではありませんが、これも結構楽しいものです。
「あ、これは台湾からだ。」、「マレーシアって何処にあるのかな?」と、宮古の海が世界中につながっていることが理解できます。このことは、それを捨てた国の人を非難するのではなく、自分たちが捨てた物が世界中に散らばっていることを理解できます。

 NPOニライカナイクラブでは、自然のための自然保護ではなく、「人のため(人が美しい自然に接することによって生きる元気を貰うため)の自然保護」、「心(規制ではない)による自然保護」を継続して実行するいくことを目指しています。継続するためには、”自分が楽しむ”という事が大事ではないかと思います。
自分が楽しむ事で意識が変わり、それが自然を護るという循環が継続を可能にすると考えます。

 お気軽に参加して、楽しみながら、このかけがえのない宮古島の自然をみんなで護りましょう。

                      




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